「福島原発事故」に思う     2011/09/10

       ―核エネルギーと人類の共存は不可能である―

                    のむぎ代表  樋口 義博(ひぐりん)

(1)放射能汚染から子どもと国民の命と健康を守る政治姿勢を

3.11東日本大震災から半年が過ぎました。
「福島原発事故」によって、大量かつ広範囲に放射性物質が放出され、国民の放射能への不安が広がっています。とりわけ、放射能への感受性が高い子どもの健康を守ることは、今の日本社会の大問題です。

 放射能汚染の実態を正確に把握し、その実態とリスクを国民に正直に明らかにし、その被害から国民の命と健康を守るために可能なあらゆる対策をとる政治の姿勢が問われていると思います。原発の「安全神話」を相変わらず巧妙にふりまき(「やらせメール」などその代表的なもの)原発の再稼動に踏み切ろうとしたり、放射能汚染の深刻な現状を国民から覆い隠すという態度は、大多数の国民の願いを踏みにじる政治姿勢だといっても過言ではないでしょう。

 放射能による健康被害は、急性障害だけでなく、晩発性障害があります。放射線被曝は、少量であっても、将来、発癌などの健康被害が起きる危険性があります。放射線被曝の健康への影響は、「これ以下なら安全」ということはなく、「少なければ少ないほど良い」というのが現在の放射線防護の大原則だと言われています。

 今の世界の科学技術では、原発から外部に放出された放射能を消すことも減らすこともできないのです。しかし、汚染された土壌を取り除くなど放射性物質を出来る限り生活環境から切り離すなどの措置をとることで、人間があびる放射線量を下げることはできます。

 福島第1原発から放出された放射性物質は、「ウラン換算で広島型原爆20個分」(児玉龍彦東大アイソトープ総合センター長の衆院厚生労働委員会での参考人質疑)という見解も出されています。

 放射能の実態を正確かつ系統的に調査し、最大限の除染を行い被災者の健康調査と管理を行うことが求められていると思います。

2011年9月10日
畑田 重夫 氏
1944年(昭和19年) 群馬県生まれ

東京女子体育大学卒業、文教大学付属高校体育教師として6年間勤務。
退職後、体操教室、幼児教室主催。
1980年(昭和55年)義博氏と再婚し「のむぎ地域教育文化センター」を義博氏と発足。O.C.S高等部を開校、現在OCS副校長、保・幼部「どろん子」園長。発達障害、非行、不登校など、生きにくさを感じる子どもの保育・教育等携わる。特に性教育は子ども達の「生きる力」をつける、と位置づけ義博の平和教育と合わせて教育の重要な柱にしている。
2011年4月1日

―東日本大震災被災地の子どもたちに愛の手を!!―

               2011年4月1日  のむぎ代表 樋口義博

 

 3月11日に発生した東北関東太平洋沖地震は、日本での観測史上最大の巨大地震で、地震と津波による被害は甚大なものになっています。さらに追い討ちをかけるように、福島原発事故の恐怖も続いています。

 <のむぎ>は、犠牲となられた方がたにつつしんで哀悼の意を表するとともに、被災者の皆さんに心からのお見舞いを申し上げます。

 今、緊急に求められているのは、今回の地震・津波災害で被害を受け、行方不明の方々の救助・捜索に不眠不休で取り組んでいる被災地を支援することです。たぶん、「自分も何かしたい」と考えている方々もたくさんおられると思います。被災地がたくさんのボランティアを受けいれられるようになるまで、救援募金はいちばんの支援だといわれています。ぜひ、ごいっしょに募金のよびかけを広げましょう。

 そして、特に私は、大震災の恐怖で負った子どもたちの心の傷は計り知れないものがあると聞いて、深く心を痛めています。“子どもは未来であり、希望でもある”――大震災に会ったすべての子どもたちが、再び笑顔を取り戻して欲しい――心底そう願わずにはおられません。

 そのような中、<のむぎ>の会員さんの中からも、大震災の子どもたちに一瞬でも、一回でも、笑顔を取り戻してほしいと、“被災地の子どもたちに絵本と愛を送ろう!”という提案があり、その取り組みが始まろうとしています。

 みなさん、ごいっしょに大震災被災地の子どもたちに愛のメッセージを送ろうではありませんか。

 

         ―「原発事故」について思うこと―

「福島原発事故」について、今、思っていることを少し書きたいと思います。

 今回の事故は、大変な深刻な事態を生み出しています。

 まず、東京電力福島第1原子力発電所で起きている危機を何としても収束させるために、ただちに原子力安全委員会・原子炉メーカー・大学など、専門家・技術者の知恵と力をあつめ、事態打開へとすすめることだと思います。

 そして、情報が小出しにされ、「大丈夫」といわれても私たちは決して安心できません。政府と東京電力は、正確な情報をいちはやく公開し、すぐに補償にも応ずるべきです。そうしてこそ、楽観視や過剰反応、風評被害も防げると思います。

 今回の危機は、「安全神話」にどっぷりつかって、「安全対策」をおこたってきた原子力行政がもたらしたもの、ということができると思います。安全をまもる規制機関を、原発推進の役所からきりはなし、全国の原発の安全総点検をすることをはじめ、“安全最優先の原子力行政”への転換が求められていると思います。

 

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1948年(昭和23年) 長野県生まれ

中央大学卒業、文教大学付属高校社会科教師として21年間勤務。
1991年(平成3年)教師生活にピリオドを打ち、不登校、高校中退、生きる道に迷う若者のための「のむぎO.C.S高等部」を開校。
のむぎ副代表・事務局長  樋口優子


のむぎ代表  樋口義博(ひぐりん)
(3)心筋梗塞(狭心症)で緊急入院・手術-「健康と命に勝る大義なし!」

 何と!私(樋口義博)は7月15日に心筋梗塞(狭心)で緊急入院。心臓血管のバイパス手術を受けることになりました。私の今までの人生で初めての入院と手術。前から高血圧で、薬を3年前から飲み始めていましたが、心労(ストレス)がたたったようです。手術は成功し、一命をとりとめたと医者から言われました。入院中にサッカーの松田選手が急性心筋梗塞で亡くなったというニュースも聞き、改めて心筋梗塞の恐ろしさを実感しました。今やっと退院のはこびとなり、通院とリハビリ・自宅(のむぎ)で療養中です。10月には平常の生活に戻れそうです。
 そのようなわけで、のむぎ会員の皆様への機関誌発行も一時中断していました。健康第一ですね。畑田先生の言葉-「健康と命に勝る大義なし」を改めてかみしめています。でも、この入院中、”命の大切さ”など、色々なことを考える機会になりました。この間、私の入院・手術を知った方々からの温かい励ましをたくさんいただきました。本当にありがとうございました!
この場をお借りして、深くお礼申しあげます。

2)国際政治学者の畑田重夫先生(<のむぎ>理事)の深い分析の紹介

 去る95日、<のむぎ>の理事もしてくださっている
国際政治学者の畑田重夫先生の米寿(
88歳)祝賀会が、
川崎の日航ホテルで盛大に開かれ、各界から
400名を超
える人たちが集まりました。畑田先生の凄さをあらため
て感じると共に、逆に元気を与えられる感動的な集まり
でした。<のむぎ>を代表して樋口義博・優子も出席し
ました。

 その席上での「20世紀の教訓と21世紀」と題した畑田
先生の基調講演は、短い時間でありながら、さすが現在の日本を代表する国際政治学の第一人者としての畑田先生らしい、本質に立脚した見事に深い弁証法的な分析の圧巻の中味でした。(ちょっと偉そうな紹介で失礼かもしれませんが・・・)

 畑田先生は、「2011311日午後246分に起こった東日本大震災の経験を含め同時代を共に生きてきた仲間の皆さんと共に21世紀の日本と世界のあり方について考えあうことが基調講演の目的である。(歴史に学び、現実を見つめ、未来をきりひらく)」と最初にことわった上で、話し始めました。

 とても全部は紹介し切れませんが、講演の最後の「3.11東日本大震災の人類史的意義と21世紀の日本と世界」の部分が今回の「福島原発事故」をどうとらえるかを考える上で、非常に示唆に富んだ内容だと思いますので、レジメだけで残念ですが紹介したいと思います。


3.11東日本大震災の人類史的意義と21世紀の日本と世界―


@ 広域複合大惨事としての3.11東日本大震災とその教訓(歴史と歴史的教訓の学ばなかったことに起因する三重災、日本における国民の安全保障の質と水準の露呈)

A ヒロシマ、ナガサキ、フクシマのある国日本と日本国民の課題(あらためて日本国憲法前文と第92項のもつ重みをかみしめる)

B 当分の間、日本においても、国際社会においても、核抑止論の正否、原発の存否をめぐる論争とせめぎ合いがつづくであろう――軍事的であれ、平和的であれ、核エネルギーと人類の共存は不可能であることへの不動の確信を。

C “災後”、とくに「フクシマ」以後(アプレ・フクシマ)においては、日本でも世界でも、国と国との関係、人間と自然(地球)との関係、人と人との関係においても、価値観、人生観、世界観の変化、すなわち、憎悪、差別、排除、戦争でなく、人命の尊重、助け合い協力、平和、連帯の方向へ舵を切りかえることが切実に求められている。

―むすびにかえて―

 日本としては、GDP中心主義、つまり経済的に伸びざかりの中国、インド、ベトナムなどをライバル視するのでなくEU諸国、とりわけ経済的にも民主主義思想や制度の面でも成熟しきったイギリスやイタリアなどには学ぶべきことが多いことを知るべきである。

 日本では政治の劣化が目をおおうほどに顕著である。実戦における唯一の被爆体験国であり原発事故による被曝体験もつ国の国民として、その世界史的、人類史的責任の大きさと課題の重さを自覚しつつ、たえず民度を高めるために、相互の学習を深め、広め合うことの大切さを確認し合いたい。



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